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♪電子ピアノではダメ?

 

 ここの教室では誠に勝手ながら、アップライトピアノ及びグランドピアノで普段練習できる方だけに限らせていただいております。入会を機にピアノの購入を検討されている方は、ご相談下さい。ピアノ選びも協力いたします。

 電子ピアノのメリットは、この教室ではほとんどデメリットとなります。
 ピアノの表現や音色をある程度理解している方が使うのと、ピアノ初心者が使うのとでは全くと言っていいほど意味が違います。

 特に吸収力が激しいお子さんが電子ピアノで練習するのは、心を表現する生演奏にあっては百害あって一理なしです。生演奏に決定的に重要な「微妙な音の変化」を聞き分ける能力を損ねてしまいます。

 しかも、電子ピアノで練習されている方は、一般的に筋力が弱く姿勢や手のフォームが悪いうえ、手首の柔軟性が全くありません。打鍵に対して出てくる音の不自然なギャップが、やはりナマのピアノとは格段に違い、無理な力を生じさせる原因のひとつと考えられます。以前教えていた個人教室での話ですが、電子ピアノで練習していたお子さんが次のように言っていたのが印象的でした。「家の(電子)ピアノでは簡単に音が出るのに、ここ(レッスン室)に来るとピアノが重くて弾けない」

 電子ピアノで弾くことは、音が読めてある程度指が動くようになれば、これ以上教室で習う必要がほぼないのです。そして、先生の要求にもそのうち反応できなくなるでしょう。アコースティック楽器による生演奏の長所と言うのは、最も繊細で感情的な部分を扱うことであって、初めて芸術作品として向き合えるのです。

 ある程度レベルが上の方にとっては、電子ピアノもうまく使えば意味もあります。特に譜読みしなければならない作品が多い時は、深夜もヘッドフォンで音を消して音取り(指使い決め)することは可能です。しかもその効果は、特に伴奏などを多く抱えている方にとっては絶大です。ただ音取りという点で利用している方でも、決して音楽的に信頼してはいません。

 生演奏では「音」そのもの自体に限りない可能性があり、いい「音」を出すためにはやはり感覚的なセンスと鍛えられた打鍵力が必要です。楽な力で簡単に音が出てしまう電子ピアノとは最も違う所だと思っております。

 と書いてみたものの住宅事情の問題により、なかなかアコースティックピアノを置けない家庭が多くなってきたのもつらいところです。